相続税対策と消費税還付

 

相続税対策をバリエーション豊富に詳細に解説している本や雑誌はたくさんありますが、消費税還付まで言及していることは少ないと思います。

 

消費税の還付についてお話する前に、まず、消費税の仕組みについて簡単に解説します。

 

消費税は、「預かった消費税」から「支払った消費税」を差し引いて納税します。

ここでいう「預かった消費税」とは収入を受けたときの8%部分をいいます。

そして、「支払った消費税」とは、経費や資産の購入の際の8%相当を指します。

 

通常、「預かった消費税」は「支払った消費税」より多いため、消費税を納めます。

しかし、例えば、一定期間の間に、資産の購入等により「支払った消費税」が「預かった消費税」を上回れば、消費税の還付を受けることができます。

 

預かった消費税>支払った消費税⇒納税

預かった消費税<支払った消費税⇒還付

 

この消費税の仕組みを前提として、相続税対策と消費税還付について検討したいと思います。

 

相続税対策の一つに不動産物件の購入や建設があります。

一般的に現金を不動産に変えることで、相続税の圧縮につながります。

 

この過程において、例えば不動産の建築を行った場合、この建築に含まれる消費税の還付を受けることができます。

 

少し考えてみてください。

1億円の物件に対する消費税は800万円です。

2億円の物件に対する消費税は1600万円です。

 

たかが、8%ですが、物件の金額が大きくなればなるほど、無視できない金額なります。

 

今日まで、消費税の還付スキームは、税制改正の影響によりかなり制限されていますが、全くできないことはありません。

 

考え方次第ですが、上記の例で、1億円の物件に対する消費税800万円が全額還付されなくても、半分の400万円だけなら還付できるように調整できます。

 

この時のポイントは消費税の届出書の提出タイミングです。

このタイミングを間違えなければ、消費税の還付を受けることができます。

 

さらに、全額の還付を考えるのであれば、やはり、法人化を検討しなければなりません。

適切なタイミングと物件購入前までの準備期間があれば、かなりの確率で消費税の還付を受けることができます。

 

 

今後は、不動産投資と相続税対策、そして消費税還付をセットにしてプランニングする必要がでてきます。