不動産の時価と相続税対策

相続税対策を考える上で、一番に考えないといけないことは“時価”です。

もっと言えば、投資的な発想です。

さらにいえば、経営的な手法です。

 

つまり、相続税対策は財産の種類を組み替えることで、純財産の増加を実現できるからです。例えば、現金100万円は、どんなに工夫をしても、相続税評価は100万円です。

有価証券も同じです。時価=相続税評価に原則なります。

 

だけど、相続財産の中で、時価=相続税評価にならない財産があります。それが、不動産です。よく相続税対策としてアパートを建設すれば、相続税対策となりますといわれます。確かにその通りです。アパート建てるだけで、土地の評価が15%~18%下がり、1億円で建てた建物は相続税評価で半分以下になります。

 

ここで、重要な事は相続税の節税以上に、この不動産(土地・建物)の時価ということです。具体的にいいますと、時価1億円の土地にアパート1億円建てた10年後の時価を考えたことがありますか?ということです。

 

10年後、もし売却したと想定した場合、減価償却費を考慮して1億5千万円程度で売却できれば問題ないかもしれません。だけど、本来の土地の時価1億円以下でしか売れないとなった場合はどうでしょうか?本当にこんなことってあるの?!と思う方は、ぜひ、今所有の不動産物件を査定してみてください。

 

アパート建設は相続税対策ではありません。投資です。

金融商品と同じ時価という発想が必要になります。

つまり、もうかるから節税になるわけで、もうからない節税は浪費と同じであると。