知って得する相続・税コラム「自筆遺言書が出てきた!さあ、どうする?」

ある日の光景。

おやじが亡くなった。

葬式も無事に終わりひと安心。

 

そろそろ、遺産整理でもしようかと。

ふと、仏壇の中に、一通の封筒がある。

手に取ると、封筒のタイトルは遺言書と書いてある。

 

ちょっと気になる。

開封しよう。

 

何気に開封した遺言書。さあ、その後の展開は!?

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さあ、皆さんに質問です。この方のとった行動に一つ問題があります。

皆さん、お分かりでしょうか?

 

そうです。

この方のとった行動の問題点は、勝手に自筆遺言書を開封したことです。

 

ここで、自筆証書の遺言書が見つかった場合の正しい対処方法についてお話します。

 

それは、自筆遺言書を見つけたら、直ちに家庭裁判所で検認手続きを行うことです。

自筆の遺言書は、開封するだけで、5万円以下の過料の制裁があります。

また、検認しないで手続きを進めても、同じく5万円以下の過料の制裁があります。

 

ただし、手続きが無効となるわけではありません。

なぜなら、検認手続きというのは、遺言書の偽造変造等を防止する証拠保全の手続きだからです。

 

しかし、遺言書の内容を見て、不利な内容を破棄すると大変です。

遺言書の偽造・変造・破棄・隠匿は、相続人の「欠格事由」に該当します。

「欠格事由」に該当すれば、相続する権利を失います。

 

仮に、偽造変造等をしなくても、勝手に開封した時点で、他の相続人に疑いをかけられます。

「兄ちゃん、偽造していませんか?」という具合に。

 

ですので、くれぐれも興味本位で開封せず、

すぐに家庭裁判所に検認の申立をしましょう!